自転車旅行2

大ピンチの南下編


 

とりあえず、細い道を行くと道に迷う可能性があるので広い道路に出る事にした。この朝霞市と言う街は、 武蔵野台地にあるため、道が込み入っている。区画整理なんかしてないので、南へ向かっていたはずが 西へ向かっていたと言う事もしばしばあるので注意が必要。自動車の教習でこの辺走ったが、しばしば 道に迷って遭難しそうになった・・・というのは大ウソ。まあ、教官がいなければどうなったかわかったもの ではなかったが。
とりあえず我が生涯で住んだ住居の中で もっともボロイ下宿を出て、東武東上線を越えて南に向かい、254に乗った。(お手元の地図参照、 なければ自分で買っておくれ。そのうちCGの取り込み方覚えたら、掲載しますんで) どうでもよいが、東京では「国道」と言うと何故か笑われる。なんでだろう? 多少遠回りになるがこのまま新座市まで北西に向かう。朝霞から農道を通って直接南下すると、 畑の真ん中に迷い込み、帰れなくなる事請け合いだ。一度多摩市にある友人の家へ行こうとして 道に迷った事がある。 それにしてもこの辺畑が多い。都心まで50kmってほんとかいな?肥やし臭いぞ。時々畑の土が風で 舞い上がり口の中に入り、肥やし風味のまったりとした味が口内に広がり、とても不幸な気分になる。
 野火止の交差点で左折。それにしてもこんな畑だらけの田舎に、なんでこんなに車が走っているのだ? なんかとっても不思議だ。

清瀬市に入る。「東京都」という標識があった。自転車で県境を越えるというのはめったに無い経験だ。なんとなく感慨深い。
右手に寺を見ながら、狭い割に交通量が多い道を車の間を縫うように快速で南西に向かう。つくづく思うが 道というものは車のためにしかできていないのではないか。おかげで今まで何度も車にひかれた。 単に無謀な自転車運転をしている私のせいだという話もあるが。
 ひたすら自転車をこいでいると何だかおかしい事に気づいた。私の自転車には、なぜか方位磁石が 備え付けてあるが、それによると真っ直ぐ西を目指している。嫌な予感がして地図を確認すると 郵便局前の交差点で左折し損ね、細かい道に紛れ込んでしまったらしい。大きい道へ出ようと何度も 試みたが、同じ場所をぐるぐる回っているようで、ちっとも埒が明かない。やむを得ず道を歩いていた 女子高生に道を聞く事にした。

私 「あのう、すみません。」
彼女「ハイなんでしょう」
私 「・・・ここはどこでしょうか?」
彼女「・・・・・???」
私 「あ、いや自分がどこにいるのか分からなくなってしまって・・・」
彼女「・・・やだ、この人あやしい・・・ぼそっ

不思議そうに私を見返す彼女。
しまった、「ここはどこでしょうか?」は、まずかったな。これではまるで変な人ではないか。
今のままで充分変な人だ、という失礼な批判もあるが、聞かなかった事にしよう。

 その後、あまり友好的とは言えない彼女の協力を得てどうにか小金井街道に出る事に成功した。やれやれ。
 一気に南下して西武池袋線、新宿線の踏み切りを渡った。この西武線は自転車から見ると電車の割に市電みたいな情緒が あって、人の歩く道のすぐそばを走っている。あんまり近すぎて、そこかしこに開かずの踏み切り なんかを沢山作っていたりもする。まあ、急ぐ旅ではないので私はどうでもいいが、踏み切り待ちの車の中を 覗くと、あんまりお友達になりたくなさそうな、おっかない顔ででイライラしているサラリーマンの 皆さんを見かけた。とばっちりを受けないように少し離れて走ろうと思った。
そんなこんなで小平市を抜け、小金井市にはいり、中央線を越えた。この辺りで、前ギアの辺りから異音がするのに気づいた。 ヤバイ、ここで自転車が壊れたら一巻の終わりだと思い点検すると、どうやら、ギアチェンジのためのキカイが壊れたらしい。 いわゆるサイクリング車は、前と後ろの車輪にギア(歯車みたいなやつ)がついている。私のも同じタイプである。今回は前ギアが 壊れただけなので、前ギア周辺を全部はずせば問題無いのだが、しかし、直す道具を持ってきていなかった。 行き当たりばったりで旅に出たのが間違いだった。この後は歩いて長野まで帰るしかないんだろうか?
 そもそもこの自転車、買ってから1万キロ以上走っている。(実家から高校まで自転車通学、片道8キロ、ものすごい急坂のおまけ付き壊れて当たり前なのだ。
案の定そのまま走っているとこわれてしまった。

どうしようか・・・


その後どうなったんたか知りたい
その後はまたの機会にしよう