湘南海岸

江の島標識

小学校に入学してから、20数年を神奈川で過ごした。その頃のことで、思い出せるのは、
中学生ぐらいからのことだ。まあ、休みの日に、何して遊んだとか、どこどこに行った。とか
他愛もないことだが、今思い出してみると、これがまた、懐かしく、新鮮でいいものである。
 休みには、友達と、ちゃりんこをとばして、平塚の海まで、よく行ったものだ。サイクリング
ロードが、海まで通じてて、比較的、安全、かつ、楽に行くことができた。
 海に行ったのは、夏に限らなかった。夏は、もちろん、泳ぐのが目的だが、その他に、サーフボードのまねごともした。ここは、言わずと知れた、サーファーたちの集まるところで、当然
ちゃんとしたボードなんて持ってないので、あちこちを探して、発泡スチロールの板だの、ベニヤ板のきれっぱしだのを、みんなで見つけてきて、波乗りをして遊んだ。結構、遊べるもの
です。大体、泳ぐときは、このあたりから、大磯ぐらいが多かった。
 そう言えば、このサイクリングロードの終点にあったドライブインのトイレは有料だったような気がする。今でもそうなのかな?
 ひと泳ぎして、なお、時間的にも、体力的にも問題がなければ、さらに、茅ヶ崎、江の島へと
行くこともあった。
  湘南 茅ヶ崎
       Photo by Sakurazawa
                                      

平塚から、江の島に向かう途中に、鵠沼(くげぬま)プールガーデンというのがあり、プールで
泳ぐときは、ここか、平塚市民プールを利用した。でも、海で泳ぐほうが多かったかな。
海岸沿いに、サイクリングロードも整備されていて、快適に走ることができた。当時、茅ヶ崎の東海岸というところに、加山雄三さんの家があり、わざわざ、交通量の多いR134をわたり、その前を通って行ったりもした。
 夏が終わっても、よくこのあたりはよく来ていたように思う。特に、江の島は、島の裏側の
岩場の探検だとかなんとか行って、よく遊んだ。そして、帰りに、屋台で、サザエのつぼ焼き
を買って食べるのが楽しみだった。こずかいで、買えたくらいだから、その当時は、高くなかったのだろう。

 ちょうど、大学から社会人になる頃、サザンオールスターズが出てきて、R134(湘南海岸道路)を、車で走るときは、決まって、バックに、サザンの曲が、流れてました。
 夕暮れの海岸通りを走るときなんか、結構、いいもんです。
厚木方面から、R129を南下して、突き当たり(高浜台)を、左折。湘南大橋を渡り、右手に海を見ながら、茅ヶ崎、藤沢、江の島を過ぎ、鎌倉まで行き、由比ガ浜あたりで、Uターンして、江の島から北上するというドライブパターンが出来上がっていました。
 このあたりで、好きな風景をあげろと言われると、鎌倉の、七里ガ浜から、稲村ガ崎にかけて。季節は、夏以外の夕暮れ。もしくは、早朝。BGMは、サザン。これが、夏の、日中となると、江の島から、西に向かい、大磯まで。BGMに、チューブ が、加わります。
 稲村ガ崎あたりは、車もいいけど、江ノ電を使って散策してみるのも、情緒があります。
今は、もうないけど、茶色のこのあたりの景色に、溶け込んだ、電車(チョコ電)が走ってました。あっつ、そう、ペーターっていうパン屋さん、まだあるよね。おすすめです。
 有料駐車場の近くにメインというレストランがあります。江の島を見ながらの食事なんて
いかがですか。

 七里ガ浜
   Photo by Sakurazawa

湘南というと、海のイメージがありますが鎌倉には、素敵な海と、そしてしっとりとした緑が
あります。竹林、あじさい、苔むす寺。
 JR大船から一つ目の北鎌倉で降り、鶴岡八幡宮までお寺を見ながら、カメラ片手に歩くのも、とても風情があります。
 鶴岡八幡宮から鎌倉駅までは、小町通りを歩くのがいいですね。結婚前のデートスポットのうちの一つで、よく二人で、ぶらぶらしたものです。
そして、私たちのウェディングリングは、この小町通りにあるぷらちなさんでつくってもらいました。
少し、肉厚に作ってもらい、あきのこないデザインでとても気に入りました。
こういうことには、ちょっと、こだわってみたいですね。

  ◆文中のくげプーこと、鵠沼プールガーデンは、2000年のシーズンをもって
    閉鎖されるという情報をいただきました。またひとつ思い出が消えていきます◆
 
飲んだくれ3人衆、大磯で危うく!

 テレビで湘南を舞台にしたドラマが多くあり、たいがい青春ものなんですよね。
砂浜を走ったり、ギター抱えて歌ったり、夕日に向かって走ったりと、実生活でやっちゃったりすると、とてもくさい芝居みたいになってしまいますが、やっちゃいました。
 意識してでなく (意識してたらできません) です。
明日から、休みだという金曜日。取引先の人が (こう書くとまじめにサラリーマンしてた頃の話だという事がわかると思いますが) 大磯の海を見下ろせる小高い住宅街に住んでまして、それとこれも取引先の人なんですが相模原の人と私と計3人で、仕事を早めに片付けて平塚で待ち合わせをしました。季節は、夏!ビールの美味しい季節!
 最初に大磯の、Sさんとしておきましょう、その人のところでビールを飲んでまず、身体を
ならして、あたりが程よく暗くなってきた頃、平塚の街にくりだしていきました。
 国道一号に出て、平塚の繁華街までは歩いていくにはだいぶあるので、タクシーを拾おうと手を上げるも、すでに足元のおぼつかない3人組のためにとまってくれるのは、一台も
ない!ろれつの回らない口で、じょうしゃきょひりゃれーかあ、ばあ―ろー!と、通訳の要りそうな言葉を発する3人組。
 でも、Sさんのところでビールを飲んだだけでここまで酔うだろうか?おそらく、記憶にはないが、何処かに寄ったのかもしれない。
 どうやってたどり着いたのか、知らない間に、Sさんの行き付けの飲み屋のカウンターで
飲んでいた。
 断片的な記憶はあっても、それが結びつかない。まあ、どうでもいいや。
帰りもたぶん、歩いたか、はいずったか、まあどうにかして、Sさんのとこまで戻って来たようだ。ここでまた断片的な記憶だが、Sさんの自家用車に乗って駐車場から出ようとしていた時に、警ら中のおまわりさんに職質を受けたようです。べろんべろんの状態で車に乗ってどこに行こうとしていたのか?本人たちもわからないのに、おまわりさんにわかるわけがない。時間はわからないが深夜には違いない。なんか、うまくさとされ、車を降りて、歩いてSさん宅へ。そこでまた、飲みながらギターをさわっていたような。さわってである。弾いてではないので、あしからず。
 Sさんは、ビートルズファンというのを聞いた事がある。一曲お願いしようにも、すでに
ソファーでのびていた。もう一人の彼も。そして、やがて私も。

 ここはどこ?
 
 なんか、目の前が明るい。潮の匂いがする。波の音がする。
あれー、海だあ!でもどうして!
 3人が5mほどの距離をおいて、砂浜に横になっていたのである。
Sさんは、しっかり、両手にギターを抱えて。もう一人の彼は、からのウイスキーのビンを
大事そうに抱えて。そして私は、潮風を抱えて。
 目の前は、まさに湘南の海。Sさんの所から10分歩くか歩かないかぐらいで海に出られるので、知らないあいだに来て、朝を迎えてしまったらしい。
 ここにで寝ていたという事実だけを3人は知っているが、その過程を誰一人として記憶しているものはいない。
 それにしても、波にさらわれなくてよかった。目を開けたら目の前に鯛やヒラメじゃしゃれにならない。
 翌週、月曜日には3人とも、またごく普通のまじめなサラリーマンに戻っていた。



    BGM TSUNAMI  ★ SOUTHERN ALL  STARS ★  MIDI  by  WATER

                                                        

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