江川卓のスーパーリーグCD

販売:セガ

「江川の野球塾は是か非か?」

「スーパーリーグ」の続編にあたる。しかしシステム的には打席に立つ選手のイラストが出てきたりするあたりアーケード版「クラッチヒッター」の方が近いだろうか。エキシビジョンのほかに、シーズンモードとホームラン競争がある。選手のデータは92年のもの。おそらく大洋ホエールズが横浜ベイスターズになった年で(クラッチヒッターは大洋ホエールズだったし)、イチローがルーキーの年だと思われる(「鈴木」が後ろの方にいる)。
選手のイラストはほとんどが「クラッチヒッター」からの流用。「クラッチヒッター」にいなかった横浜・佐々木などの選手は新たに書かれているが、一部の選手(ヤクルト・古田など)もなぜか書き直されている。
シーズンモードではチームの中から3人を選んで「江川の野球塾」に入れることができる。江川はピッチャー出身のはずだが打撃の指導もできるようだ(^^;。評論家としてはどうかと思うが(笑)。
ところがこの「野球塾」、実はくせもので、そこに送った選手はその日は試合に出られず、能力が下がることもあるのだ。まぁこの手のプロ野球のゲームで選手が育つっていうのは結構あったけど、プロの選手がそんなに成長するなんていうのも変なので否定的だったんだけどこれなら納得できるかも。しかしそれなら「調子」というパラメータがあればいいだろうに。
一部の野球ゲームでは打率、あるいは防御率のデータが固定でそのままそれが選手の能力を表わすものがあるが、これはそうではなくちゃんと一打席ごとに変動する。「打率の数字=打撃力」で選手のデータがわかってしまうのはやや興ざめだし、変動する打率ならランキングを出したりできるし。
ところで、マニュアルの江川の略歴、こういう書き方じゃなくてもいいんじゃないか?これ書いた人、アンチ巨人と見た(笑)。

江川卓プロフィール
1955(昭和30年)、福島県生まれ。高校時代から脚光を浴びつづけ、77年、(昭和52年)クラウンライター・ライオンズのドラフト1位指名を拒否、アメリカへ留学。79年(昭和54年)、阪神からトレードの形で巨人へ入団。9年間の通算成績は135勝72敗3セーブ。防御率3.02.現在は野球解説、そのほかで活躍中。
「79年(昭和54年)プロ入り」ぐらいにしておけばいいのに。確かにこの「江川事件」は江川を語るに当たってはずせない事かもしれないけどね。(笑)

江川事件…上記のようにクラウンライター・ライオンズ(現 西武ライオンズ)がドラフトの当たりクジ引いたのに江川は巨人に行きたいと駄々をこねる。「交渉権を得たその球団はその選手に対して、翌年のドラフト会議24時間前までの交渉権を持つ。」という条文の裏をかき(前日は通常は球団関係者の移動日に当てられる。)、翌年ドラフト会議の直前に江川と巨人は契約をする。しかし、セ・リーグ会長は契約の届け出をその場で却下する。この裁定を不服とした巨人はその年のドラフト会議をボイコットする。この年のドラフト会議で江川を強行指名した阪神が交渉権を獲得。巨人は「こうなったらセ・リーグを脱退して巨人についてくる球団だけで新リーグを結成、全面戦争だ」と恫喝。コミッショナーは「阪神は江川を入団させた直後、キャンプインまでに江川を巨人にトレードさせること。」というすさまじいコミッショナー命令を発動させる。 そして、当時の巨人のエース、小林繁と交換トレードで巨人へ。80,000,000円といわれる江川の契約金は巨人が払っている。トレードのダシにされた小林は怒り狂い、阪神で、対巨人戦8連勝など、主に巨人を相手に大活躍をする。この一連の出来事は、アンチ巨人の増加に一役買った。
参考資料:近藤唯之「プロ野球 トレード光と陰」新潮文庫,1991

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