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7月22日(月)埼玉から来た強者
いよいよ本州を離れフェリー出航、大間崎が遠くなってゆく。ワクワクしてデッキを歩き回っていると、やがて断崖絶壁の島みたいな陸が見えてきた。函館山だ! 初めて北海道をまみえた瞬間だった。ところで船内テレビではアトランタオリンピックのサッカー日本×ブラジル戦をやっている。あとで聞いた話、日本が奇蹟の勝利をしたらしい。そう、世間はオリンピックで盛り上がっているが、旅人はこういう機会にしか情報を得られないのだ。
さてフェリー到着、あこがれの北海道に上陸! お〜、車のナンバーがみんな函館だ〜。でも思ったより異国情緒ないなあ。ここも日本なんだから当り前か。とりあえず駅に行って、観光として“メモリアルシップ摩周丸”を見学。青函連絡船についての説明をほとんど読破していたらもう昼になってしまった。勉強になった? あとは街中を走るだけ走っとく。さて函館といえば駅前市場(?)、せっかくだからうまいモン喰おうと1500円のウニイクラシャケ丼、グー。
函館のもう一つの街を越え五稜郭の中も一応走って、北へ走る。さすが北海道、走ってないと寒い気候。今日も曇りだ。トンネルを越え、大沼東キャンプ場へ着いた。そこで埼玉から来た同類に会った。コーラ酒をご馳走してくれたりカトリセンコウを分けてくれたり、そして一緒に近くの温泉に入った。この人、5日間でここまで埼玉から実走できたらしい。強者だ。
7月23日(火)つくばから来た強者
今日も北に向かう。そのうち、別のサイクリストに追い付いた。「どっから来てるんですか?」「茨城から」「え!? 茨城のどこ?」「つくば」「えー!! 僕もだよ!」さらに話してるうちに、同じ筑波大生であることが判明した。何とも奇遇なことだ。この人も実走でここまで来ているらしい。今日も曇りで駒ヶ岳見えず、写真部の彼は不満気である。一緒に長万部まで走ってカニ飯弁当を喰い、公園の無料キャンプ場に設営。この辺まで来るとチャリダーも多く見かけるようになる。
二人で長万部温泉にも行く。そこにある大衆浴場は定休日だったが、そこの陽気なオッチャンが「ここは日本一の温泉だぞ」とか言って入れてくれた。ランドリーも利用する。で、温泉、あったまるあったまる。日焼けも痛くなくなってきているし。ここの湯はとても気に入った。なるほど、成分の濃い“高張性”の温泉ね。
ここ数日、よく人に会うなあ。出会いの旅だ。
7月24日(水)急に晴れた洞爺湖
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7月25日(木)北海道でも飲める生水
針路は西へ。廃線跡がある。こんな所に列車走ってたんだ。三段滝に寄って雨宿り、近くには北海道では珍しい、飲める湧き水がある。ここではエキノコックス、大丈夫なのかなあ。
難なく支笏(しこつ)湖に着き、今日も温泉。共同浴場は無く、ホテルのに入る。ここの体重計に乗ったら、ついにアンダー60kg! 全盛期から5kg近い減量をしたぜ。さて、ライダーハウスに泊まるか、キャンプ場にするか。迷ったが、少しだけ安いのと相部屋はやだなあと思ったので、キャンプ場。少し雨に悩まされたが。
明日は、明日は、いよいよみんなに会える!
7月26日(金)お祭りさわぎの苫小牧港
北海道に来て、初めてダートを走ってみる。熊に会ってたまるかと、ベルを鳴らしまくる。途中、口無沼がある。人気(ひとけ)がなくてすごくいいところだが、ごっつい蜂が襲ってきたので退散。やがて住宅街に入り、苫小牧駅、そして港へ。
ここで、フェリーでやってくる仲間を待つことになる。それまでずいぶん暇があるなあと思っていたら、“港ふれあいフェスティバル”なるお祭りをやっていた。けっこう楽しめた。アイドルショーとか、バンド演奏とか、筑波のガマ油売りショー(初めて見た)とか。JR北海道の落し物の安売りも面白い。なぜこんなものが落ちてたんだ? とか(たとえばメガドライブ)。私はミニディスク4枚買わせてもらった。
夜になってようやく、茨城県大洗からのフェリーがやってきた。久々に再会のメンツ、キックを応酬したりする。私以外に前ランしていた連中もここに集まり、これで班合宿のメンバーが予定より一日早く揃った。今夜からキャンピング班合宿である。9泊10日と結構長めの個人前ランを無事こなし、明日からの新たな困難に気持ちを切り替える。