むらよし旅日記・其の二十二:北へ。TSUKUBA to SOYA

『三の巻:サイクリング部全体合宿』道南’98

8月3日〜8月8日

8月3日(月)(続き)ふとん寝

 長らく続いたキャンプ生活もひと段落。今夜からはヤド泊によるサイクリング部全体合宿が始まる。風呂に洗濯、畳でゴロゴロ。ああ民宿。
 明日からも楽しみである。

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8月4日(火)おしゃ・まんべ!

 右手に灰色の噴火湾を眺めつつ、1年生S河辺君の、まさに爆走には丁度良い先導ペースで距離80km、昼には長万部に着いてしまった。さっそく、名物の“かにめし”を食堂で食べる。だれだ「名物にうまいものなし」だなんて言っているのは。うまい、と思うよ。
 旅館に荷物を置いてチャリを軽くしてから、少し内陸に登ったところにある温泉へ行く。“二股ラジウム温泉”といい、世界に2つしかない泉質を誇るのだそうだから、入らない訳にはいかない。その温泉宿に、外来入浴だ。
 男女別の小浴室もあるが、岩風呂は混浴。丁度、2家族ほど入っていた。私はとあるオッサンと旅の話をしながらの入浴。ハダカの付き合いってやつ。
 温泉宿の前には、キツネが何匹か。かわいいけれどエキノコックスの危険があるので、近寄りたいような、近寄りたくないような。
 自分の体は、疲れが蓄積してきているみたい。ヘトヘトになっている。長万部の旅館に帰り、“高張性”がウリの長万部温泉にも入る。熱くて、好き。
 ところで長万部と言えば、由利徹のギャグ「おしゃ・まんべ!」だろう。食事の際、その話をしたら、今の若い連中、誰も知りよらん。しかし隣のテーブルに居た1年生・野D君の顔が一瞬ニヤッ、としたのを私は見逃さなかった。やはり彼は知っていた。古いぞ!

8月5日(水)昼と夜

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北海道の丘を越えゆく
 全体合宿は班を幾つかに「ほぼランダムで」分けて行動する。今日の私は後輩3人とのランとなった。まずまずの天気の下、他班と抜きつ抜かれつ、豊浦町へ。ここで昼食の買い出しをして、内陸側の丘を登る。何だかすごく景色のいい道で、遠くには昆布岳、羊蹄山、尻別岳、左後方には噴火湾。そしていかにも北海道らしい丘々には馬が遊んでいる。
 そんな丘の上にはレイクヒルファームという観光牧場が。暑いし疲れているのでまずはアイスクリームを食べる。昼食は合宿恒例のパンに具。フルーチェにはここの牧場の牛乳を使ってみた。この牛乳もうまい。
 見晴らしの良い草原広場で、バトミントン、サンドブツケ、サッカー、バレーなど、楽しいが激しい運動。足つりそうだよおじさんは。そこに他班も乱入、フリスビーも楽しい。こうした自転車以外のレクは、全体合宿ならではである。
 この丘はどうやら洞爺湖の外輪山だったらしく、内側に下っていくと、湖の真ん中に中島を浮かべた洞爺湖が見えてくる。湖畔のユースホステルまで走って今日は終り。ここの内湯も温泉である。そろそろ湯アタリが気になる。
 夜には、湖畔で花火が打ち上がった。なんで、こんな時に男女別行動を取っているのか、疑問というか、不満であった。

8月6日(木)北酒場

 今日からはようやく2年前の個人ランルートをそれ、まずは北へ向かう。しかし体調がおかしい。ペダルを漕ぐ足にパワーが乗らず、みんなに遅れがちになってしまう。ここは辛抱の時だ。
 真狩村には、当地出身の細川たかし記念像があった。像に手をかざすと、ヒット曲(4つ)を歌ってくれるものだから、観光客が手をかざしまくる。隣の芝地で昼食を取っていた我々、すっかり細川たかしの歌声が耳に焼き付いてしまった。
 古びた商店では、北海道限定コアップガラナを発見。Dr.ペッパーとどっちがまずいかで論争になった。
 雲に隠れる羊蹄山を左回りにぐるっと走る。名水“ふきだし湧水”は水量が豊富で、冷たくておいしかった。ウイスキーの水割りも作ってみた。倶知安の某コンビニにはワインの試飲コーナーがあり、我々は少し酔っ払った。
 宿はニセコの“田舎宿キートス”。スウェーデン料理の後は、部屋でウクレレ。友人と三部合唱までして、大満足。

8月7日(金)ウイスキーガブガブ

 朝食うまい。コーヒーがうまい。トマトジュースがすごくうまい。いい宿だった。
 今日もまたコンビニでワインの試飲して、羊蹄山に別れを告げ、北へ走る。仁木町ではパイの店でコーヒーセットを頂く。

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ウイスキーで出来上がった連中
 余市町では、ニッカウイスキーの工場見学。見学コースのラストはやはりウイスキーの試飲コーナー。おつまみ付きで、いくらでも飲めるので、いくらでも飲む。私は完全に酔っ払って、真っ赤になった。ふらふらになり、これではチャリに乗れない…。街の食堂でイクラ丼を食べて酔い覚まし。
 頭ズキズキ酔いを残して、小樽天狗山ユースホステルまで頑張って走る。最後の坂は、斜度15%の地獄坂! 猛烈なインパクトのユース坂だった。
 夜には、明日の合宿最終日の、ペアラン決めが行われた。また男とか…。まあいいや。

8月8日(土)「オカベ〜〜!!」

 ペアランの相手は、1年生のK藤君。まずは小樽運河を散策してから、とっとと札幌の旅館に荷物を置きに行き、昼食は北海道大学の学生食堂。私は筑波大学の学食でバイトの身だから、偵察も兼ねているのだ。勝敗は・・・、ピー。

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札幌“動物園”(馬だけ)
 札幌観光としてテレビ塔に登り降りした後、いよいよ我がペアだけの本日のメインイベント、札幌“動物園”(馬だけ)。良く晴れた空に、ターフがまぶしい。K藤君に新聞の読み方やマークシートの記入方法を教え(なんて悪い先輩なんだ俺は!)、動物達の競演に熱くなる。「オカベ〜〜!!」こうして貴重な旅費が、財布から一気に消えたらしい・・・。
 これで全体合宿も終り。夜のコンパは、1年生達のパワーで異常に盛り上がっていた。私は、「オカベ〜〜!!」


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