むらよし旅日記・其の二十:近畿・中国地方マイペースラン

『3rd Stage:サイクリング部全体合宿』南紀の太陽を浴びて

3月12日〜3月16日

3月12日(月)(続き)愛しのクラシックギター

 熊野市からのサイクリング部全体合宿は、参加者が22人にまで膨れ上った。個人ラン→班合宿→全体合宿と、だんだん人数が増えていくのが嬉しいものだ。全体合宿は基本的にユースホステルや民宿泊りで、お風呂には毎日入れるし、布団やベットで眠れるのも嬉しい。もちろんお金がかかるので、5〜7泊ぐらいが限界ではある。
 さらに嬉しいことに、ここのユースにはクラシックギターが置いてあった。普段の生活には欠かせないギターだが、ツーリング中にはすっかりご無沙汰になってしまう。今夜はたまった欲望を満たすように弾きまくらせてもらった。

3月13日(火)峡谷と温泉

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熊野のみち
 5、6人ずつの班をに分かれて、もう一度内陸の方へ向かう。陽の光を受けた山々が美しい。三重県・奈良県・和歌山県の県境が複雑に絡む地帯には、瀞(とろ)峡という名所があるが、これは船に乗らないと観光できない。我々の班は、一人1250円の小舟に乗った。5000円ボられるという噂のジェット船が近くを通ると転覆しそうになるが、割安感と小舟の風情はナイス。瀞八丁の奇岩怪岩を楽しむことができた。
 熊野本宮大社をありがたく(?)お参りして、川湯温泉にあるユースホステルに到着。河原には混浴の露天風呂がある! 海パンはいて入る。女の子と一緒というのがいいね。温かい。強がって川の流れにもつかってみたら、今度はあまりの冷たさに心臓が止まりそうになったりもした。

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3月14日(水)ホワイトデー(関係ねえよ)

 熊野川沿いの県道を気分良く下って行くと、また海沿い、新宮市に出た。和歌山県の東の玄関とも言える地で、『桃太郎電鉄』でその地名を覚えた人も多そう。熊野速玉神社にも寄っておく。
 実は今日は、1年生の女の子G藤の誕生日。彼女以外の4人で密かに示し合わせ、ケーキを買っておいた。砂浜でパン昼食を取ったあと、いよいよケーキのお出まし。彼女はびっくりして、しかし喜んでくれたようだ。
 小さな神社に勝手に荷物を置き、自転車を軽くしてから、那智山へ走り登る。日本一の落差133mを誇る那智の滝は壮大な迫力だ。熊野那智大社にもお参りし、これで熊野三山を制覇したぞ。何かご利益があるかも。さしあたってヒザ痛が治って欲しい。もう階段昇降が辛くて……。
 宿は太地町のユースホステル。なかなか見た目派手な岸壁“ユース坂”の上にあった。

3月15日(木)最南端の冒険

 夜のうちに大雨が降ったようだが、朝にはもう晴れてくれた。春合宿にしては珍しく雨が少なくて嬉しい。日焼けで顔が黒くなってきた。
 海岸沿いの熊野街道を南下して行き、昼時、潮岬に着いた。本州最南端であることが売りで、広い芝生広場もある。ここでヤキソバを作り食べてから、岬の岩場へ。険しい岩場をつたってなるべく最南端を目指す、これがすごく楽しい。

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馬坂の眺望
 いちおう観光タワーにも登って眺望も楽しんだあと、また自転車で走る。馬坂の眺望という所では、左右に海を抱える串本町の街並みが一望できた。ここから針路を西にとり、アップダウンの多くなった海岸道を、すさみ町にある民宿まで進んだ。

3月15日(木)熊楠のあしあと

 2人ずつで走るペアランの日、今回は新主将Y沢に当たった。走りの速い彼に引っぱってもらって、午前中には目的地である白浜に到着。ここからは白浜ポタリングモード。食堂で昼飯を食ったあと、水族館、そして南方熊楠記念館。南方熊楠は民俗学者にして植物学者にして語学者にしてetc...、とにかく凄い人だ。彼の好奇心の強さを見習いたいものだ。しかし知る人ぞ知るといった感じの賢者で、客層も高齢者ばかりだった。
 南紀白浜といえばやっぱり温泉。海岸の岩場にある無料の露天風呂で、その雰囲気を味わう。やけどしそうなほど熱かったが。
 こうして全体合宿を無事走り切ることができた。ヒザ爆弾が人に迷惑をかけなくてよかった。コンパでは前回夏合宿の反省からおとなしく飲み、涙も出ず、眠りへ…。


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