むらよし旅日記・其の二十:近畿・中国地方マイペースラン

『5th Stage』中国地方マイペースラン山陽編

3月23日〜3月29日
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3月23日(月)(続き)旅立ち〜西へ〜

 国道2号、250号、新幹線下の道路などをつたって、西への旅を開始した。交通量は多いが、おそれていたほど走りづらくもない。しかし久々にまともに“移動”しているので、すぐへたる。
 そしてこのランの第一目標である姫路駅に到着。これで一昨年の春ランと道が繋がったぞ。ここで選択肢は3つ。その一、もう列車に乗って帰る。う〜んまだまだぁ。その2、出雲街道で津山を目指す。でも山の方はつらそうだな。その3、このまま山陽道をひた走る。
 結局、山陽道を少し南にそれて、赤穂に向かった。買い出しはジャスコ。大店法改正以来、ここの地方ではジャスコとサティがしのぎを削っているようだ。魚売り場に寄ると「魚魚魚〜、魚を食べると〜、体体体〜、体にいいのさ〜」という歌がよく流れていて、笑いをこらえることもしばしば。
 自分は恥ずかしながら忠臣蔵を知らないのだが、それでも赤穂の街では井戸跡や城跡など面白く散策できた。武家屋敷公園の東屋に設営し、しばらく御不沙汰の両親に葉書を書いて、送った。切実。

3月24日(火)ひとつ私にくださいな

 いやになるほど寒い朝。もうキャンプいや。
 岡山県に入って、国道2号に復帰。せっかく岡山市にきたのだからと思って、後楽園に入園。ただ歩く。これで日本三大庭園のうち、金沢兼六園と合わせて二つを制覇。残るは水戸の皆楽園か。家に近いだけになかなか行かれないものだな。
 ちょっとふらふらになって岡山駅。列車時刻案内を見上げると「のぞみ東京行」……。つらい旅なんかやめて、帰ろかなぁ。新幹線に乗ればあっという間だもんなぁ。しばらく葛藤する。しかしこれからさらに西へ向かうと思って中国地方の地図を買ったばかりだし、だいたい親に葉書送ったばかりじゃないか。もうちょっと頑張ろう。ほら、まずは広島の原爆ドームを見にゆこう!
 かくしてまた走りだした。吉備路風土記の丘では、五重の塔がある国分寺跡に寄っておいた。真備町にある、まきび公園でキャンプ。吉備団子食べたいな。我慢我慢。この旅、修行の様相を呈してきた。どこまで続けられるだろうか。

3月25日(水)多島美

 ひんやりとした朝も考え方を変えれば、さわやかじゃありませんか。
 もうすぐ開業する井原鉄道沿いに走ると、広島県。福山市のスーパーでパンを食う。期限切れ直前で値崩れした菓子パンを買い叩くのが基本になってきた。
 海峡に山と島が迫る尾道を抜け、三原からは国道2号を離れ海沿い、JR呉線と平行に走る。左手には瀬戸内の島々。まだ走った事のない愛媛県の島も望める。そろそろ全県制覇を念頭に置き始めているのだ。この春、全部は無理にしても、どこまで埋められるか。それを目標としよう。
 やがて竹原市に到着。スーパーでビフテキ肉が激安だったので夕食のメニューにする。本屋の地図コーナーで銭湯の位置を確認、『江戸の家並』という古い街並の近くにそれはあった。あー、また久々のお風呂。銭湯もいいものだ。体きれいにして、これで明日安心して広島観光ができるぞ。
 キャンプは“中央公園”で。駅にある看板地図で、すぐにみつかる。

3月26日(木)呉広島、戦争の跡

 枕に例の四十八手ハンカチを敷くと、いい夢がみられる。しかし現実はシビアだ。
 快晴の下、カキの養殖場を眺めながらのラン。そして呉。クレと言えば55-6、ではなく、何といっても帝国海軍母港。その名残を、潜水艦ドックやら戦艦大和碑やら入船山記念館やらで満喫することができた。私に元々ある帝国海軍かぶれが、さらに増長したのは言うまでもない。

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広島原爆ドーム
 で、広島駅に着いた。のぞみ号停車駅だが、いんや、まだまだランはやめないよ!
 広島城に寄って、そしてあの原爆ドーム。テレビや写真でしか見た事がない物が、こうも間近だと、やっぱり感動する。平和記念公園もね。
 さらに広島といえばお好み焼。後ラン最初の外食になった。甘くてうまい。しかし個人的には大阪風のほうが好きだが。
 夜になり、雨が降ってきてしまった。元安橋の下に何とかテント張れそうだ。目の前には原爆ドームがそびえていてアレだが。頭上も交通量多くてうるさいが、「平和」に眠れりゃあそれでいい。“橋の下設営”は初めてだ。

3月27日(金)俺は巨人ファンなのに

 ゲッ、テントの中水浸し。雨水が流れてきているじゃないか。寝袋も濡れてるし、これからどーすんだよ。テントの中で心境ブルー、何も手に付かない。そしたら元安川が急に増水してきた。うわっ、溢れてくる!! あわててテント撤収、間一髪、逃げ出した。
 でも雨は降り続いている。しゃあない、平和記念資料館でヒマをつぶすか。50円で、いろいろ。寄ってよかった。ついでに図書室で、はだしのゲン作者による漫画『広島カープ誕生物語』を読破。にわかカープファンになってしまった。
 午後になり、雨が小康状態になったので出撃。左手の日本三景『安芸の宮島』は霧の向こうにかすれている。大竹市ではコインランドリー発見。たまった洗濯をして、寝袋も乾燥させ、気分回復。
 山口県入りを果たし、岩国市の公園でキャンプ。

3月28日(土)ズームインされたいな

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岩国錦帯橋
 朝の公園ではラジオ体操。私は恥ずかしくてテントから出られない。まあ、よくあること。
 今日はまず岩国錦帯橋。広い川幅に架かる五連アーチの木の橋で、丁度ズームイン朝の撮影隊が来ていた。もうだいたい撮影は終っているようで、何か残念。
 基本的に旧山陽道をなぞりながら、徳山、防府と過ぎて北に折れ、山口市に到着。県庁所在地の筈だが、鉄道は電化されてないし、ゆえに田舎っぽい。
 一日、いい天気だった。湯田温泉で汗を流す。やっぱ温泉っていいね。芝生が広くて気持ちいい維新公園で、キャンプ。

3月29日(日)本州の果てを越えて

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壇の浦
 ムリはしない、ということで秋吉台行きは断念。山陽道に復帰し、ゆっくり地の果てを目指す。その果てとはもちろん下関。やがて関門海峡の向こうに九州が見える所まで来た。ここが壇の浦か。頭上にはこれまた有名な吊り橋の関門橋がそびえている。まるで大橋めぐりの旅をしているな。
 下関駅に着いたが、ここで終りじゃない。フェリーに乗って九州に渡り、小倉駅まで走る。ガッチャン。去年春に走った道と繋がったぞ。これで、短距離フェリーもアリということにすれば、タイヤ痕が北海道知床から長崎まで繋がったことになる。うれしいな。だいぶ日本のスケールを体感できるようになった。これで、この春の5th Stageは終了。国道2号とは長いつきあいだった。


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