ジャガー XJ220

販売:ビクター音楽産業

「トテモ スバラシイ センタクダ!」

今ではTomb Raiderなどで有名になった、「地味だがいい仕事」の、「イギリスのゲームアーツ」こと、コアデザインのレーシングゲーム。このころのビクターのMEGA-CDソフトは、『サンダーホーク』などのコアデザインの秀逸な作品がいくつかラインナップされている。
さて、このジャガーXJ220というこの車、全世界で220台限定で発売された頭に「超」がつくほどの高級車。3500cc、V6ツインターボを搭載し、500psオーバーというスペック。当時の雑誌(カーアンドドライバー日本版、90/04/10号。ダイアモンド社。うちの車が新作として紹介されたときのものでたまたま持っていた(笑))によると、『(バブルの頃なもんで)42ヶ国から1450名の申込があり、日本からは80名の申込』があり、日本へのデリバリーは十数台ともいわれる。この頃の高級車っていうのは利殖に使われたりしているので(定価が45,000,000円のフェラーリF40に250,000,000円の値段がついていたりとか)、そういう人たちが買って、しまってあるんでしょうね。きっと。ちなみに、この車の「定価」は約300,000ポンド(約73,000,000円)。当時の外車情報誌などの広告にはフェラーリランボルギーニはいくらでも新車・中古車問わず見ることはできたがこの車はまったく出てこなかった。
それはともかくこのゲーム、ジャガーXJ-220でレースに出場し、世界中を転戦するというもの。レースに出て賞金を稼ぎ、その賞金でぶつけたりした修理費(笑)や転戦の移動費用を捻出する。移動の順番を考えると、費用が少なくてすむ。というか、遠くを選ぼうとすると、「ワタシノ オススメハ GERMANY!」とかいわれたり、近ければ「トテモ スバラシイ センタクダ!」とかいってくるので、結局、半ば決められた順番でまわるのがいいということになるようだ(強行することもできるけどね)。レースとしては一見普通の出来。ただし、デフォルトでは。周回数を増やしてみたりすると給油のタイミングなどの要素が出てきて、駆け引きも必要になってくる。レースコースエディットなんかもあるが、これはあくまでおまけとかんがえるべきだろう。エディットコースは、元々のコースと差し替えるような形になるので、コースの作り方、どこに置くかなどで、ゲームの難易度は大きく変わってしまうことだろう。でも、とてつもないバックアップ容量を食ってしまうことだけが残念。
ところで、ゲーム中のBGMを決める画面、カーステレオが出てくるのだが、「アウトランみたいなのならともかく、レースカーにカーステレオだと?」みたいな意見もあるかもしれないが(似たような意見『プレイステーション版の『R4』のオープニングムービーに出てくるレースカー、パワーウインドウついてるんだよな』)、このジャガーXJ220、外見は思いっきりレースカーだが、そこはもともとスポーツカーというよりも高級車メーカーであるジャガーのこと。内装は高級車メーカーならではの豪華な内装なのだそうである(笑)。
後日談:(07/01/2001)エフ・ロードという外車専門誌がスーパーカー特集を組んだ。そこには『90年代に入り、世界的に経済状況が後退するにつれてスーパーカーを取り巻く環境も急速に冷え込むことになった。<中略>チゼッタはわずか8台の生産で消え去り、ジャガーXJ220は多量の在庫を抱え、マクラーレンF-1でさえも…<以下略>』とある。

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